文字サイズが選べます

米中双方の自制を求む

アメリカ🇺🇸と中国🇨🇳が、関税を実際に発動し貿易戦争に至っていることを心底憂慮する。

第二次大戦の一つの主要原因が、保護貿易であったとの認識から、戦後はアメリカご中心となって、自由貿易体制の構築に努めてきたはずだ。

WTOが全会一致制で、なかなか決められないことから、では気の合うもの同士でやろうかということで、TPPあるいは多数の二国間FTAが結ばれている。いわばセカンド・ベストの策だ。そのTPPからもアメリカが抜けたことは、オバマ憎しからの偏った見方と見える。

のみならず、関税の報復合戦となっている様相に、大きな危機感を感じる。

歴史を繰り返してはならない。

パキスタンのイムラン・カーン新首相

もう三十年近くも前に、パキスタンの日本大使館に勤務していた頃、クリケットの名選手として活躍していたイムラン・カーンが、パキスタンで首相に選ばれた。

当時ナワズ・シャリフとかペナジール・ブットーとかが首相で、村岡大使のお供で時々官邸に行った。彼らが苦労していたのが軍との関係だった。アフガニスタン問題もその一環のようなところが有った。

その後、イスラムの宗教勢力が強くなったり、テロも有ったりで、遠くから見ていて、大変だなあと思っていた。

イムラン・カーン選手が率いる党が勝ち彼が首相に選ばれたのは、そんな行きづまり感を打破したいとの気持ちのように思う。

ああ、あのイムラン・カーンが首相になったか…という感慨。

敵味方識別不能?

トランプ大統領には敵味方識別をしっかりやってもらいたい。

EU🇪🇺諸国を敵と呼び、ロシアのプーチン大統領に擦り寄るような言動には、強い違和感を感じる。EUは同盟諸国であり、ロシアはそうでない。

ロシアが2016年のアメリカ大統領選挙に干渉したことは、複数の調査を通じて明らかになっている。ロシアとしては、アメリカが築いてきた戦後秩序を破壊するかのようなトランプ候補を大統領にしたかったのだろう。そしてトランプ大統領はまるでその意に沿うような言動を繰り返してきた。

敵味方識別ができていないのではないか?

アメリカの対中制裁関税発動は間違っている!

トランプ政権は、中国による知的財産権の侵害に対応するためということで、制裁関税を発動するが、これは政策的に大きな間違い。貿易戦争を防ぐべき立場の国が、貿易戦争を引き起こす動きをしていることについて、大変懸念している。

第二次大戦の原因の一つは保護貿易による貿易戦争だった。その教訓で、戦後は自由貿易を進めようということで、ガットをはじめアメリカ主導で世界の秩序をつくってきた。しかし今トランプ大統領はアメリカファーストと言い、保護主義に走っている。いずれ自らも損をする大きな間違いを犯しつつある。アメリカは世界のリーダーとしてのポジションを自ら放棄しつつあるのみならず、世界を不幸にすることになりかねない。日本はそれに引っ張られてはならない。

アメリカにはリーダーとしての意識を取り戻してもらいたい

1.トランプ大統領の高関税による輸入制限を打ち出し、EU、中国等が対米報復関税に踏み切ることを打ち出した。ロシア、インドも報復関税をかける考えを示しているという。

第二次世界大戦は、保護貿易がその原因の一つであったとの反省に基づき、戦後は自由貿易体制を確立しようと、アメリカが主導してGATT、その後はWTOがつくられ、世界秩序はその流れの中にあったといえる。WTOが190カ国以上の国々の全会一致がなければ決定できず、ドーハ・ラウンドが座礁して動きがとれなくなった中、それなら気の合ったもの同士でやろうということで、二国間FTA(自由貿易協定)、TPP(環太平洋経済連携)などの動きにつながった。

しかし、トランプ大統領のTPP離脱にとどまらず、今回の高関税による輸入制限等の動きは、「報復」の連鎖を呼び起こしつつあり、戦後アメリカが主導してつくった自由貿易に向かう世界秩序を崩壊に導きかねない。

自国さえ良ければよいという「アメリカ・ファースト」の考え方は、アメリカが世界のリーダーとしての意識が希薄になったことを表しているのではないか?と危惧するものであり、アメリカにはリーダーとしての意識を少しでも取り戻してもらいたい。しかも、アメリカ・ファーストは、結局はアメリカにとっても得にならず、損することになる。それは歴史がはっきり示している。

2.もう一つ大変危惧するのは、アメリカが国連の人権理事会を離脱を決めたことだ。反イスラエル的であるというのが理由というが、これもアメリカがもはや世界のリーダーではなくなったのではないかとの懸念を強めさせるものだ。

戦後、アメリカが主導して、国連を創設し、加盟国に武力の行使を禁止することによって、戦争をなくそうとの努力を重ねてきた。これも戦後世界秩序の柱の一つだ。確かに、国連は戦争をなくすとのミッションをうまく果たせていない。しかし、他に代替し得る仕組みもなく、国連を大事にする意味は有る。今回のアメリカの離脱の理由は「反イスラエル的」であるというものであり、それはアメリカの中間選挙という国内的な視点である。

3.日本としては、戦後、吉田路線に乗って、安保はアメリカに任せて、日本は経済中心でやっていくとの基本路線できた。それは、アメリカ主導の戦後世界秩序があって成り立ったものでもある。トランプ大統領のアメリカ・ファーストはいろいろな面で影響が大きい。

外務省は潮目の変化に気づくべし

7日の安倍-トランプの日米首脳会談は、「潮目」の変化をはっきり示した。

対決から対話にベクトルの方向は変わった。日本の外務省は潮目の変化に気づくべし。圧力から対話に重点を移すべし。その際、多国間で国際機構的な枠組みをつくり、北東アジア連携を進めるべし。日本、ロシア、中国、韓国、モンゴル、アメリカに、北朝鮮をいずれ加えたメンバーだ。分野としては、エネルギー、金融(北東アジア開発銀行)、農業、鉄道・道路・港湾等々。

これがいずれ日本の戦略の柱となるだろう。

米朝双方の自制を願う

6月12日に予定されていた米朝首脳会談が中止になったことは極めて残念だ。

北朝鮮側の発言にトランプ政権が反応した由。せっかくの流れが損なわれるとなると残念だ。双方の自制を求めたい。

事務方の作業抜きにトップでやろうとするところに無理があるのかもしれない。

92歳のマハティールさんは全世界のシニアに元気を与えた

先週、92歳のマハティールさんがマレーシアの首相に返り咲いたとのニュースは、全世界のシニア世代の人たちに元気を与えたと思う。

写真を見ると、生き生きした表情で、やる気満々の雰囲気が感じられる。

いくつになっても働きたい人は働ける社会をつくっていきたい。

日本の対応に戦略的発想を望む

北朝鮮を巡って情勢は急転回している。米朝首脳会談がシンガポールで開催される、三人の米国人が北朝鮮から解放等々。

しかし日本の対応に戦略的センスが感じられない。戦後日本外交は吉田茂の吉田路線をひた走って来ました。日米安保条約を軸に、アメリカ頼みの外交で平和と繁栄を築いてきた。しかしこれは他方で自らの戦略を構想して外交を展開するという感覚を鈍らせることになったと思う。

今、北朝鮮を巡る情勢が急転回していることの受け止めが不十分ではないか。

非核化をどう進めるか、拉致をどう解決するか、これらをアメリカや韓国頼みにとどまらせず、日本としてどういう戦略的構想で進めるか、非核化がなされた後の北東アジア連携についても考えるべきだ。

トランプ大統領のシリア攻撃と国連憲章

アメリカのトランプ大統領がシリアを軍事攻撃したが、国連憲章は武力の行使を禁止し、例外は、自衛権発動(含む、集団的自衛権)の場合と国連軍による場合の二つだけと定めている。

アメリカが中心となり国際連合を創設した際、もう戦争がなくなるようにとの願いを込めて国連加盟国には武力の行使を禁止する国連憲章を定めた。但し、国際社会は国内社会のように組織化が不十分であり、全面的に武力の行使を禁止することは現実的ではないとし、自衛の場合は例外とした。そして当時冷戦が既に進みつつあったので、国連憲章は新たに「集団的自衛権」という概念をつくった。

もう一つの場合の国連軍による集団安全保障は集団的自衛権と異なる概念だ。専門的なので詳細は略するが、安全保障理事会の決定に基づく国連軍による集団安全保障措置は未だに行われたことはない。国連による活動として、「平和維持活動」PKOがあるが、これは極めて限定的なもので、武力の行使ととは異なる。

今回のトランプ大統領によるアメリカのシリア攻撃は、このような国際法の枠組みから見ると、自衛権の発動でも、あるいは安保理事会の決定に基づく集団的安全保障でもどちらでもないことになる。

化学兵器の使用禁止に異論はないが、シリアのアサド政権が化学兵器を使ったかどうかの調査、「認定」は行われていない。また、化学兵器を国内で使用したからといって他国がその国に武力を行使することは、国連憲章が例外として認める①自衛の場合でも②安保理決定に基づく集団安全保障措置でもない。

アメリカのトランプ大統領からの呼びかけに対して、イギリスのメイ首相、フランスの̄マクロン大統領とも自制をかけてないことに対して違和感を感じる。アメリカを中心につくり上げてきた戦後の国際秩序が崩れつつあるのだろうか?