○山口(壯)委員 民主党の山口壯です。
きょうは、GXロケットプロジェクトとそれから国立大学法人への役員出向の問題について取り上げさせてもらいたいと思います。
今、資料をお配りいただいているのは、GXロケットプロジェクトの資料です。資料を今配られているから、先に国立大学法人の話を行きましょう。
この国立大学法人について、私は、平成十八年の三月十日に、当時は小坂大臣でした、同じことを聞いたんですね。要するに、理事がわたりでいろいろな大学を回っている、文部科学省の幹部職員がまるでローテーション出向のように回っている、これはやめるべきではないか、こういうふうに言いました。そのときに小坂大臣の答弁が、「わたりのように行ったり来たり、その人事が文部科学省の采配によって行われるようなことを今後とも継続することはないようにしろ、こういう趣旨じゃないでしょうか。そうであれば、私は、全くそのとおり、そう思っております。」こういうふうに答えてもらいました。
あれから二年たって、私ももう一回調べ直しました。全部の大学を調べ直しました。
まず、渡海大臣、この小坂大臣の答弁を私が読み上げましたけれども、国立大学への文科省幹部職員のローテーション出向、これはやめるべきではないか、どういうふうにお考えでしょうか。
○渡海国務大臣 山口委員が小坂大臣に対して質疑されたことを私も読ませていただきました。先ほど読み上げられた文章がございます。「わたりのように行ったり来たり、その人事が文部科学省の采配によって行われるようなことを今後とも継続することはないようにしろ」という趣旨であろうと思います。そのことと、それから、いわゆる独立行政法人になった後に、大学の意向を無視して文部科学省が人事において介入をして押しつけるというようなこと、こういうことがあってはいけないというようなことをおっしゃっておられます。
やりとり全般を私もちょっと読ませていただいたんですが、山口議員がこのやりとりの中で懸念をされていることが、大きく言って二つあるというふうに理解をしております。これは私の理解でございますから、もし間違っていたら御指摘をいただいて結構かと思います。
一つは、文部科学省が采配をしてやっている、要するに、文部科学省の意向でやっているということが問題ではないかということ。それからもう一つは、そういう采配がされることによって、要するに、出向先で、いわゆる出向先の利益じゃなくて、文部科学省の方を見ながら仕事をするということが起こるんじゃないかということが一番大きな御懸念であるというふうに思っております。
そういう観点も含めて、現状、ではどういうことが行われる、こういうことでございますが、大学側からの要請がありまして、そのことに応じて、こういう人がいたらぜひ我が大学としても人材が欲しいと言われることに対して御紹介をさせていただき、そういう形で出向が行われているという事実が続いております。このことは事実でございますから、はっきりと申し上げなきゃいけないというふうに思っております。
やめるべきじゃないかというのが御質問の趣旨であったと思いますけれども、私は、先方からの要請に基づいてそういう人材を例えばお世話することそのものがいけないから、やめるべきじゃないか、やめるというふうには考えておりません。やめるべきだと言われれば、ただ単にやめるべきだというふうにはならないと考えております。
ただ、先ほど言いました二つの懸念、こういったものが起こるということは、やはり厳に避けなければいけないというふうに考えております。
○山口(壯)委員 大学からの要請がある、もうそういうことになっているわけですね。しかし、例えば、自主性、自律性をこの独立行政法人化というので高めることになっていましたけれども、そこには偽装があるんですね。どういう偽装か。
国立大学法人法の十六条というところに、「政府又は地方公共団体の職員は、役員となることができない。」こうはっきり書いてあるんです。だけれども、その部分を超えるために、一回文部科学省をやめてという形をとって行くんです、役員出向。こういうのを偽装と言うんですよ。実際にはやめていないのに、文部科学省の枠の中でずっとローテーションで動いているんですよ。だけれども、一回やめたことにして行く。
今、大学の要請があるということを言われました。私はあのときも挙げましたけれども、奈良教育大学の金田さんの例ですよ。これはもう一回挙げなきゃいけない、そういうことであれば。あのときは、議長が役員会で説明をするわけですね。こういうことを言っておられるんです。それは大臣が読まれた議事録にも出ていたことですけれども、「議長から、二月一日付け文部科学省の人事異動により、金田総務担当理事・事務局長が一橋大学事務局長に異動、」「後任には国立乗鞍青年の家所長の堀江克則氏が事務局長として着任する予定である」と。要するに、文部科学省の人事異動を受けて、この大学は、ちょっと後任、あと時間がかかるけれども、いずれ来るみたいだから待っていてね、こう言っているわけですね。大学からの要請というものとは、大臣、少し違いがあるんですよ。
このことをちょっと順番に見ていきますけれども、あれから二年たっていますから。北海道大学、遠藤さん、内閣府の審議官ですか、今はどちらにおられますか。
○渡海国務大臣 申しわけございません。具体例につきましては担当の合田に答えさせてよろしいですか。(山口(壯)委員「どうぞ」と呼ぶ)
○合田政府参考人 お答えを申し上げます。
ただいま御指摘にありました遠藤につきましては、今現在は独立行政法人国立文化財機構の理事をしておるというふうに承知をしてございます。
○山口(壯)委員 文部科学省の管轄の部署に行っているわけですね。そして、その後任に嶋貫和男さん、文科省の初等中等教育局の参事官の方が行かれた。
東北大学、これは理事じゃないですけれども、副学長さんですけれども、萩原久和さんが文部科学省の大臣官房文教施設企画部長から行かれている。
筑波大学の泉紳一郎さん、文部科学省大臣官房審議官で高等教育局担当の方が〇六年の四月から行かれている。
千葉大学、山根徹夫さんが文科省のスポーツ・青少年局企画・体育課長から行かれて、今、福島健郎さんが、今度は三重大学の理事だった人がわたり大学、理事わたりでやっているわけですよ。
東京大学、辰野裕一さん、文部科学省の大臣官房審議官で高等教育局担当の方が去年から行っておられる。
東京芸術大学、太田和良幸さん、これは私が中国大使館で一緒だった方ですけれども、今は神戸大学に、これも渡っておられるんですね。そしてその後、堀江振一郎さんが宮内庁の東宮侍従から行っている。これは私が外務省のときに机を並べた人です。
もう文科省のローテーション出向ですよ、全部。まだまだあるんです。大臣に知っておいてもらいたいから、一応言いますね。
そして、信州大学の竹本廣文さん、国際交流基金の人物交流部長から行かれた。今この方はどこですか。もしもわかったらでいいです。
○合田政府参考人 大変恐縮でございます。今ちょっと手元で直ちにわかりかねます。
○山口(壯)委員 竹本さんは〇四年から〇六年まで二年間いて、役人のローテーションと同じ二年あるいは三年単位の人事異動があるわけです。その後は、須田秀志さんが文部科学省研究開発局参事官から信州大学に行っておられるんです。
岐阜大学の山本さん、〇六年の四月から文部科学省医学教育課の大学病院支援室長から行っておられる。
名古屋大学の豊田三郎さん、大臣の秘書官としてそこでよく私も見かけましたけれども、この方が名古屋大学にいたんですけれども、今どこですか。
○合田政府参考人 お答えいたします。
現在、公立学校共済組合の理事をしております。
○山口(壯)委員 大学の要請に基づいてその国立大学法人に人材として受け取ったんであれば、二年、三年でかわるわけがないんです。ずっとその大学でその大学のために頑張る、それが大学の要請に基づいて行った場合の本当の姿じゃないですか。あるいは、別に、文部科学省をやめてそういう国立大学法人にずっと行くというのも私は理解できます。文部科学省の人間がそこへ行っちゃいけないと言っていない。だけれども、二年、三年で渡るというのがおかしいんだと言っているんですよ。
大臣はそれをやめる気がないというふうに、小坂大臣よりずっと後退された答弁を先ほどされましたが、私は現実をもう少し受け取っていただきたいなと思うんです。
もう少し聞きますよ。
名古屋工業大学の呉茂さん、文部科学省の研究振興局ライフサイエンス課ゲノム研究企画調整官から行っておられますね。
三重大学の三浦春政さん、文部科学省生涯学習政策局の社会教育課長から行っておられる。去年からです。
京都大学の木谷雅人さんは、文部科学省の大臣官房審議官から行っておられる。
京都工芸繊維大学の木下眞さんは、文部科学省の研究振興局の学術研究助成課の企画室長から行っておられる。
まだまだあるんですよ。こういうのがずっと続いているんですから。
二〇〇四年に国立大学法人になって、私が質問したのは二〇〇六年、二年しかたっていませんでしたから、いやいや、それはずっといたんですけれども、その二年だけ見たら二年に見えるかもしれませんけれども、そういう答弁でした。しかし、今、四年たった。四年たって見てみたら、やはり同じことが起こっている。二年あるいは長くても三年、場合によっては一年半でくるくるかわっているんです。
大阪教育大学の中岡司さんは、文部科学省スポーツ・青少年局学校健康教育課長から行かれている。そして今、椎広行さんが、生涯学習政策局の生涯学習推進課民間教育事業振興室長から行っておられる。
高知大学の河本朝光さん、文部科学省の大臣官房会計課の予算企画調整官から行っておられる。
鹿屋体育大学の工藤さんの例は、これもわたりの例ですね、弘前大学から来られてまた移っておられるんです。その後を高橋誠記さんが行かれて、この方は、国立美術館の国立西洋美術館副館長から行っておられるんです。〇五年に工藤さんが移られて、その後、高橋さんになる。
富山医科薬科大学の本間実さんは、高等教育局の専門教育課の教育大学室長から移っておられる。
大臣、おかしいですよ、これは。どうもおかしい。日銀の総裁とは全然質は違いますけれども、独立しているんですから、独立。国立大学法人と呼ばれていますけれども、私、一瞬勘ぐってしまったんですよ。ほかのところを独立行政法人と言って、この国立大学法人に独立の名前が抜けているのは、ひょっとして意図的だったんじゃないかなと勘ぐってしまったんですよ。そうであってはいけないわけでしょう。
自主性、自律性を重んじてというふうに附帯決議とかいろいろなところにも書いてある。これを踏まえて、渡海大臣として、こういうことはやめた方がいいんじゃないか、そういうふうに持っていく、答弁をいただきたいと思います。
○渡海国務大臣 小坂大臣とのやりとりは、私も重々承知をいたしております。きのうも深夜に、もう一度よく読ませていただきました。
そこで、最初の二点を、実は、私は山口委員にあえてお話をしたわけでございます。現実に今そういうことが続いているということも昨夜も確認をいたしました。これを受けて、これが続いているということに対してそういう御疑問が生まれるだろうということについても、あえて否定はいたしません。
ただ、一つ御理解をいただきたいのは、私は、大学の先生とも実は話したんですね、学長とも。そのときに、やはり、いろいろな意味で、こういった感じの職員が欲しいというふうな要望があるというのも、これは事実でございます。そこにおいて、今山口委員がおっしゃったのは、文部科学省のローテーションとしてそれが行われているというような現状があればということであれば、文部科学省の都合で押しつけるような、回していくような、渡らせるような、そういうことはやはり、これは小坂大臣もおっしゃったことでありますが、やめなければいけないというふうに私も思います。
独立行政法人ということで、独立性を保つという意味においては、このことが弊害になるということであれば、それもやめなければいけないというふうにも思いますが、国立大学法人の運営というのは、学長が基本的にそのことを運営する、学長を決めるのはちゃんと決まったシステムの中で決めていくということで、ファイアウオールとしての独立性は保たれておるということでございます。
ただ、実態として本当に保たれているのか、この疑問は生まれると思います、正直そういうふうに思いますけれども、そのことをしっかりとやはり担保した上で、要請があればそのことについておこたえをするということは私はあってもいいんじゃないかな、そういうふうに思います。
○山口(壯)委員 今、要望があればと言われたんですけれども、予算で縛っているんですから、大学としたら、文部科学省から人を一人持ってきて予算で面倒を見てもらいたいわけですよ。だから要望という格好をしているんです。大臣、政治家ですから、役人じゃないんですから、そういうところをしっかり見抜いて、やはり、本当の意味での、日本の大学が世界に雄飛できるようにするにはどうしたらいいか、もっともっと真剣に考えるべきです。
最初の、この国立大学法人をつくるときに、私も本会議で、もうあれは二〇〇三年ごろだったかな、させていただいたときに、私が申し上げたのは、残念ながら、今までのノーベル賞、もらった人は全部国立大学だったんですね。
要するに、独立行政法人的になり過ぎると、もうかるものしか研究しない。要するに、高い山ほどすそ野が広いのに、そのすそ野が広いサンスクリット語とかそういうものをもうからないからということで全部切ってしまうんですね。切ってしまって、もうかるものしかやらないという傾向が出てきてしまっているわけです。しかも、文部科学省のおめがねにかなったいろいろな予算プログラム、これが欲しいわけですよ。COEとかいろいろな名前をつけてやっておられるじゃないですか。
そういう意味で、大学の要望があるという一事でもって判断されずに、やはり、日本の大学をどういうふうに世界の大学たらしめるかという観点から議論していただきたいと思うんです。
私は、例えば、文部科学省の幹部職員の人がその専門的見識に基づいて教授として行かれることに対しては何ら反対はしません。しかし、経営陣の一角の理事とか、そういう形で行かれる必要はないじゃないか。理事で行かれるんだったらずっと行ってください。二年、三年でかわるというのがおかしいんです。
そして、もう一つだけ指摘しますけれども、それぞれの方々が大学を順番に移られるときに、その大学の移り方というのがおもしろいんですね。これは昔の文部科学省あるいは文部省にあった分類ですけれども、例えば旧帝大、北大とか東北大学、東京大学とか名古屋とか京都とか大阪、九州、筑波とかありますよね、あるいは旧官立大学、千葉とか東京工大とか一橋とか、あるいは新七大学とか、あるいは部制大学とか、その他大学とか、いろいろな一般的な呼び方がある。別にランクづけじゃないだろうけれども、呼び方がある。
ところが、学長の給料と連動させてちょっと見てみますと、千葉大学の福島さんは、三重大学から千葉大学にかわっているんですけれども、学長の給料でいくと九十二万二千円から百十四万二千円にちょっと上がっているんですね。ということは、やはり格付的には、三重大学から千葉大ということは部制大学から旧官立大学にちょっと上がっているのかな、一般的な感覚で。
東京医科歯科大学の入江さんは、大分大学から来られているんですけれども、大分大学の学長さんが九十九万四千円で、医科歯科大学は百六万六千円だと。ちょっとずつ上がっているんですよ。要するにローテーション出向なんですよ。
だから、そういうことを見て、大学の要望があるからという一事でもって片づけないように、そこに文部科学省の役人のローテー出向ということが現実にあるんですから、それについてもう少し深く考えてください。答弁をお願いします。
○渡海国務大臣 私も少し言わせていただいていいですか。
山口委員の御指摘は真摯に受けとめたいというふうに思います。
ただ、私は今、いわゆる大学の運営費交付金に非常に疑問を持っておりまして、まだ完成はしておりませんが、これは中期計画が再来年度で終わりますね。そのときに新たな運営費交付金の算定基準をつくらなきゃいけないんです。それが本当に公平に外形的に見てもちゃんとやられているか。今委員がまさにおっしゃったように、格付をしないでやれるのかやれないのか、その問題も含めてきっちりやらなきゃいけないというふうに思っております。
それからもう一点は、全然ないとは言いませんが、今のお金の配り方というのは、ほとんど、例えば文部科学省が自分の意向で配分をするとかいうふうにできていません。これはかなり、一部残っていますよ、正直。正直残っていますが、例えばCOEにつきましても、それから、競争的資金はもちろんですね、これはちゃんとした学審とかいろいろなところでやる。この中である不正な選び方が行われていたら、私はそこまでは保証できませんけれども、そういったちゃんと外部機関を入れた上ででないと実は配分ができないというシステムにずっと変えてきたわけですよね。
そのことによって、要は人を出したからお金がとれるという、人が欲しいとおっしゃっている側はそういう発想をとられているかもしれませんが、そういうことは極力なくなってきているし、また、ないように今の制度設計というのはなりつつある、また、しなければいけないというふうに私は考えておりまして、そういった視点もぜひ考慮していただきたい。
それから、現況としてそういうことがローテーションとして行われているということをより検証しまして、もしそういったことがあるようであれば、それは厳に慎まなければいけないことでありますから、私は、そのことについては、委員の意も体して、今後のことをきっちりと私のいる間はしっかりとやっていきたいということでお答えとさせていただきたいと思います。
○山口(壯)委員 大臣、私のいる間だけに限らず、前の人からちゃんと受け継がれて、そしてローテーション出向がないかどうか、きちっとチェックされて、それがないようにしてください。
GXロケットに行きましょう。
GXロケットというものがありますね。今、配付資料でお配りしていただいた資料二つ、GXロケットの位置づけについてという、基本的には二つ同じようなものですけれども、最初の平成十八年十二月二十六日の総合科学技術会議有識者議員というふうに書いてある資料、これはどういう性格の資料でしょうか。
○藤田政府参考人 御説明を申し上げます。
この平成十八年十二月の総合科学技術会議の資料につきましては、GXロケットを第三期の科学技術基本計画におきます戦略重点科学技術に位置づけるというふうなことで、総合科学技術会議で御審議をいただいた結果として有識者議員が取りまとめたものでございます。
○山口(壯)委員 この紙の二に、今藤田局長が言われたように、GXロケットを「戦略重点科学技術の施策の一つに位置付ける。」とはっきり書いていますね。
次の資料の、明けて十九年一月十二日の「GXロケットの位置付け」という資料、これはどういう性格の資料ですか。
○藤田政府参考人 御説明を申し上げます。
この二枚目の「GXロケットの位置付け」、十九年一月十二日の資料につきましては、先ほど御説明を申し上げました総合科学技術会議で戦略重点科学技術に指定をされました後に、文部科学省と経済産業省で、宇宙開発委員会の、当時、宇宙開発に関する長期的な計画案を策定中でございましたが、その中での部会の小委員会に提出した資料でございまして、総合科学技術会議の方針を踏まえて、文部科学省、経済産業省が協力をして、中型ロケットとしてGXロケットの推進を図る、政府として着実に支援を行っていくんだということをお示ししたものでございます。
○山口(壯)委員 その資料の一番最後に、「GXロケットについては、我が国の宇宙輸送系における「中型ロケット」として明確に位置づけ、政府として着実にその開発を支援する。」と書いています。
この二つの文章の考え方は、大臣、今も変わっていないですね。
○渡海国務大臣 基本的な部分について変化があるとは思っておりません。
○山口(壯)委員 そういう背景はあるものの、一部の新聞等で開発計画が存続の危機にあるのではないかということが言われています。一説には文部科学省が引こうとしているんじゃないかという心配もあるやに聞きます。この点はいかがでしょうか。
○渡海国務大臣 戦略重点分野、これに位置づける段階から、私は実は党の立場でございましたが、携わっておりまして、いろいろな経緯がございました。その経緯の中で、先ほど委員がお示しになりましたような取り決めが行われて、現在に至っております。
その後の一つの変化としては、民間側のかかわり方が少し変わってきた。今申し上げたような経緯で進めてきたわけでございますが、民間側から、同ロケットの開発途上における官民の役割というものを、従来の民主導から、開発段階においては官の役割をふやしてほしいという要望が寄せられまして、そのことを受けまして、そうなってきますと、この開発をどういうふうにやっていくかということについてやはり再度検討しなければいけないということで、宇宙開発委員会において、その進め方においても評価を行っておるところでございます。
これは、宇宙開発委員会はすべてオープンにしてマスコミにも公表してやっておりますから、どういう点が論点になっているかということは多分委員のことですから御承知かと思いますが、例えば射場を変えるといったような提案、日本からアメリカに開発段階では変えるといったような提案とか、それから一段ロケットの種類を変えるとか、その後の状況の変化が起こっておりますから、やはりこれは宇宙開発委員会にもう一度きっちりと評価をしていただいて、そして官民の負担の割合を変えるということについても俎上にのせて、最終的にどのようにするかということを委員会で判断をしていただきたい。
でありますから、あきらめていたら別に委員会を開くわけはないわけでございますから、あきらめているわけではありません。
○山口(壯)委員 渡海大臣から非常に前向きな答弁をいただいて、私は心強く思います。あきらめてはいない、続ける、官民の割合、すなわち官がもう少し頑張ろうかということも念頭に置いて今評価をしているところだ、こういう答弁だと承りました。
他方、H2Aと比べると非常に予算の使い方が違うように私には見受けられます。二〇〇三年に大型のロケットH2Aの打ち上げに失敗して以降、宇宙航空研究開発機構はGXの開発よりもH2Aの復活に主力を置いているように私には見受けられます。
きのう文部科学省の方に私は資料をお願いして、今配っていただいた三つ目の数字の資料、私はきょうの朝見て、やはりそうかと思ったことが一つあるんですね。これは、上の段は予算です、下の段は決算です。たまたま比べられるところでいくと、下の段に平成十六、十七、十八とあるものだから、上の段の平成十六、十七、十八を見てみますと、H2Aについては、平成十六年に予算で八十一億だったものが決算では百六十五億、倍使っているんですね。十七年には五十六億の予算が九十四億円の決算になっている。あるいは、平成十八年の四十四億円が八十三億円、倍の決算になっている。逆に、GXロケットは、平成十六年に二十億予定したものが決算では七億しか使っていない。十七年には二十五億の予定が十八億しか使っていない。あるいは、十八年に二十五億の予定が十二億しか、半分しか使っていない。
明らかに、H2Aには予定よりもたくさん使い、GXには予定した額の半分ぐらいしか使っていないということが出てきてしまっていますね。この辺が心配をかき立てる大きな原因になっていると思うんです。これを見てみますと、平成十六、十七、十八で七の十八の十二だから、三十七億円しかGXには使っていないわけですね。
ちなみに、平成二十年度、今審議している二十年度の予算、これはどういう形になりそうですか、GXロケットについては。
○藤田政府参考人 御説明申し上げます。
平成二十年度のGX関係の予算につきましては、宇宙航空研究開発機構の運営費交付金の中に含まれておるわけでございますが、その中で五十六億円を予定しているところでございます。
○山口(壯)委員 五十六億円ですけれども、夏の段階では百五十億円を考えておられたんじゃなかったでしたっけ。
○藤田政府参考人 夏の要求の段階では百五十億円を要求いたしておりましたところでございますが、国の非常に厳しい財政事情の中で、私どもとしてできるだけ予算を積むということで、五十六億円、何とか計上させていただいたということでございます。
○山口(壯)委員 五十六億円で大丈夫ですか。
○藤田政府参考人 大臣からもお答えを申し上げましたけれども、現在宇宙開発委員会で評価を行っておりますけれども、評価を踏まえてその推進を図るということになれば、きちっと二十年度に使っていける額ということで五十六億円を計上しているところでございます。
○山口(壯)委員 開発の継続は大丈夫だということでしょうか、局長。
○藤田政府参考人 開発を進めていくぎりぎりの額ということで計上させていただいているところでございます。
○山口(壯)委員 今これから、このGXロケットが技術的にクリアしたかどうか、その後には、実証機というんですか、実験するようなそういうのをつくって、あるいはどこで打ち上げるか。種子島につくるのであれば、また新しいのをつくらなきゃいけない。それだと二百五十億もかかりそうだ。せっかく一段ロケット、ロッキード・マーチンのアトラス、今3が5に変わったといえ、提携しているんだったらアメリカの射場も使えるんだから、こっちだったら五十億ぐらいで終わりそうだなということもあるんでしょう。
今藤田局長の方から、ぎりぎり五十六億だったら首の皮一枚つながっているなという答えもありましたから、それはそれで、私も一つ心強い思いはしています。
他方、アメリカの射場のことを民間の方は考えて、いかにそのコストを落とすかということで考えているわけですけれども、大臣、この可能性についてはいかがお考えでしょうか。
○渡海国務大臣 この件については、実は随分いろいろな議論があるところでございます。宇宙開発委員会においても、例えばアメリカの射場で打つということは、そのノウハウといいますか、我が方の技術を全面的に公開しなければいけない、宇宙開発ということにおいて、そういうことが実際可能なのかどうかといったような議論とか、さまざまな議論が出ております。
具体的にアメリカとそのことについて交渉しているという段階でもありませんから、そういったいろいろな問題をどうやってクリアするかということも含めて、これから、コストも含めて、実は宇宙開発委員会の方に御審議をいただく。そのために、次回、割と早い時期に、JAXAそれから民間企業の方からコストの考え方も含めて提示をしていただくということになっておるところでございます。
○山口(壯)委員 技術的に、この第一段と第二段のロケットのうち、第一段はロッキード・マーチンのアトラスです。昔は3だったのが今5に変わったとしても、そこはアトラス。それから、第二段をいわゆる官側で今開発してきたわけですね。そこに民間の会社がいろいろ、開発請負というんですか、そういう形でかかわってきている。第二段のこの液化LNG型のエンジンについて、もう技術的にはオーケー、クリアしたということでよろしいわけですね。
○藤田政府参考人 御説明申し上げます。
一昨年、宇宙開発委員会で中間的な、GXロケットの第二段のLNG推進系についての技術的な評価を行いました。その中で、いろいろな技術的な問題についてはこういう方向で解決をしていくんだというふうな宇宙航空研究開発機構からの説明を宇宙開発委員会として評価をして、その方向できちっとやりなさいと。それで、その結果について、まさに今、宇宙開発委員会の評価の中で、その方向が誤っていなかったか、きちっと対技術的課題が解決されているのかということを評価いただいているところでございます。
私どもとしては、宇宙航空研究開発機構としては、問題点は解決がされ、次の段階に技術的には行けるというふうな見通しが立ったというふうに判断をしているところでございます。
○山口(壯)委員 今藤田局長が言われたとおり、技術的な問題はすべてクリアされた、去年の十月にロケット噴射実験も成功したし、オーケーだと。
昔、二つ問題があったみたいですね。
一つは、燃料タンクを複合材でやるかどうか。要するに、アルミの金属だけじゃなく、ファイバープラスチックみたいなものも使ってやるかどうか。でも、これが世の中では初めてだったみたいで、うまくいかなかった。これは全部いわゆる官側からの要求で、えっ、そこまでやるのというふうに民が思ったにもかかわらず、それをやって、結局はもとの形に戻っているんですね、もとの形に。官が言っていた、こうやろうやという話じゃなくて、ポンプをつけてうまくやっていこうということになったみたいです。それで、すごく時間もおくれているみたいですね。
それから、燃焼圧変動、時々燃えかすがあって、それがたまるとぼんと一気になってしまう、だから、もう少し安定させた方がいいんじゃないかという官側からの示唆があって、これも、そんなものは実験を進める間でも十分片づけられるんだから大丈夫ですという民の思いもあったようですけれども、いや、まずこれを解決してからだというので、その解決にも相当時間がかかった。
こういう二つの理由によって、思ったよりずっと今予定がおくれていると思うんですが、その辺は、大臣、民間の責任というよりも、私は、官側にも大分これは責任的なものもあるんじゃないかなというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
○渡海国務大臣 共同で開発しているわけでございますから、それは双方に責任はあるんだろうと思います。
ただ、LNGエンジンについては、これはJAXAの方で主に開発をしておりましたから、そういった意味では、おくれたある意味の責任というのは、第一義的にはあるというふうに言っていいと思います。
ただ、これは共同開発の中で、常に、そういったことが起こった時点時点で確認をしながら、しかも、必要なときには適宜宇宙開発委員会の判断をいただきながら進めてきたわけでありますから、どちらに責任があって、どちらがということを、今、そのおくれたということに関して、LNGについては確かにJAXAにも責任があったんだろうと私は思います。
ただ、これも相談をしてやってきたことでございますから、そのことをもって、では、おまえのところが悪かったんじゃないかとかいうようなことになるのかならないのか、このことも含めて、実は宇宙開発委員会で、今最終的に、どういう役割分担をこれからしていくのかということが御議論をされているというふうに私は理解をしております。
○山口(壯)委員 今大臣から、JAXAにも責任はもちろんあったと。要するに、民間も四、五百億使っているわけですから、急に、もうこれからはおれたちはやめたというふうに言われると困るんだと思うんです。したがって、これまでそういう責任感をしっかり持っていただきながらやっていただいているわけですから、ここは続けていただきたいと思うんです。
その際、宇宙開発委員会にお聞きになるときに、多分一つの大きなネックというものは事業性という言葉だと思うんですね。宇宙開発で事業性と言われても、場合によっては、これは非常につらいものがあるんじゃないでしょうか。アメリカの宇宙産業だって、もうかっているところはないということも聞きます。というのは、国からどんとお金が行っているから一瞬もうかっているように見えるけれども、国からの巨大なバックアップがなければほとんどやっていけていないわけですよ。アメリカの国からのバックアップというのは我々の想定をはるかに超えていますから。そういう意味では、このGXに対する国のバックアップというのは、私は正直まだまだかわいいものだと思います。
H2A、大型ロケットですから、これは大きなお金が今まで国から行っているんでしょうけれども、概算でいいです、今までずっと、この歴史の中でH2Aにはどれぐらいお金を使ったんでしょうか。
○藤田政府参考人 御説明申し上げます。
H2Aロケットの開発経費についてでございますけれども、先生がお配りになられました資料では平成十年度からの予算額が出ておりますが、H2Aロケットは平成七年度から開発をスタートさせておりますので、そこからの分を総合計いたしますと、予算としては千三百九十八億円、それから執行額としては、十五年度にH2Aロケットの六号機打ち上げ失敗をしましたので、それへの対応ということで、執行額は予算よりも膨らんでおりまして、千五百三十二億円を費やしているというところで、これは平成十八年度までのことでございます。
○山口(壯)委員 H2Aという項目だけで見ると今藤田局長の言われたとおりですけれども、その前にはH1があり、その前にはNがあり、ずっと歴史の中でH2Aが成り立っているわけですから、それを全部合わせると八千億という数字も新聞等には見えます。
藤田局長、この八千億という数字、H2Aだけに限らなくても、そこに至る国のいろいろなお金、H2A関連で、至るまでの八千億、この数字についてはいかが認識されておられますか。
○藤田政府参考人 御説明申し上げます。
申しわけございません、ただいま資料として持ち合わせておりませんけれども、今申し上げましたH2Aが千五百億、H1ロケットが千六百億、それからH2ロケットが二千七百億円というふうなことでございますので、それ以前のN1、N2等を含めますと、ざくっという感覚では八千億ぐらいというのは、そういうことなのかなというふうに感じております。
○山口(壯)委員 このH2Aというのは国産ロケットとして成り立っているわけですから、それは国もどんとお金を出して、民間の方からはほとんど出ていない。これはそういうコンセプトでやってきているわけですから。
他方、GXロケットというのは、官民協力ということで、一つここでポイントは、一段ロケットにロッキード・マーチンのものを使うということですから、私は最近こういう言葉は余り使いたくないんですけれども、日米協力という面があるんだと思うんですね。
そういう意味では、今大臣は技術を公開しなきゃいけないという部分を御心配になっておられましたけれども、場合によっては双方向の可能性があるわけですから、日本のロケット部門における技術レベルを上げていくためには、このH2A、純国産のH2Aでは得られなかったものが得られる可能性もありますので、そこは、今までこのH2Aに約八千億とも言われる歴史の中で使ってきたものに比べて非常にかわいい、過去三年間で約三十七億という数字も先ほどありました。
こういうことから見まして、意義にもかんがみて、ぜひ大臣、続けていくし、場合によっては、その意義をきちっと踏まえて自分として対応していくんだというお気持ちをお聞かせください
○渡海国務大臣 細かい技術的な話をするつもりはありませんが、やはりこれは、今後、例えば官主導に切りかえて新たな税をつぎ込んでいくということに対する国民への説明責任が私はあると思っております。ですから、きっちりと宇宙開発委員会で、要は、技術を開放しなきゃいけないというのは、これはそういう議論が出ているということを言ったので、私は大いに、別に構わないと思います。
ただ、一つだけ言わせていただきたいのは、やはりアメリカと日本というのは宇宙産業の背景が全然違うんですね。これは安全保障の問題ですよ。これはもう委員もよく御存じだと思いますけれども、そういった背景もあるということも考えなきゃいけない。
ただ、私は一点、やはり自分自身として責任を果たさなきゃいけないと思っておりますのは、この意義というものをきっちりと位置づけていただいて、そして、官主導、今議論されているのは、国の負担を大体四百億ぐらいふやすというような話なんですね。そのことが本当にちゃんと説明ができるのかどうか。しかも、できたものが、当初目指したように、いわゆる中型、要するに簡単に衛星を打ち上げられるという、一々H2で重いものをやらなくてもいいというところがあるわけですね。
そういうものの需要とあわせて、さっきビジネスが成り立たないとおっしゃったけれども、かといって、では全部政府が使うのかといえば、そういう見通しをどうするのか。こういった総合的な判断をやった上で宇宙開発委員会としてどういう結論を出されるのかということを見て、やはり判断をしなきゃいけない。
私が当初あきらめておりませんと言ったのは、当初の開発目的、これがきっちりと果たせるのかどうか。しかも、そのことにおいて技術的な問題が、今大体クリアされていると思っておりますが、されたというふうに判断をしていただけるのかどうか。こういったことも委員会で議論していただきたい、そういうふうに思っておるところでございます。
○山口(壯)委員 大臣、ぜひこのGXロケットの話は、アメリカと違って我々は、情報というのは大事で、情報衛星を打ち上げるにはこのGXロケットが一番いいと言われているんですから、そこは前向きに、逆噴射せずに頑張ってください。お願いします。
終わります。


